キタキツネはアイヌ語で「チロンヌプ」と呼ばれ、私たちがたくさん殺すもの(獲物)という意味を持ちます。アイヌの人たちは毛皮目的で捕獲したり、お守りとして頭骨を利用していたそうです。
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キタキツネは北海道全域に生息している!
北半球に広く分布するアカギツネの亜種です。北海道の平地から高山帯まで、広く生息しています。ホンドギツネよりも一回り大きいです。青森県にも多くの目撃例があり、青函トンネルを越えてきたと考えられています。遠目で見ると柴犬に似ていますが、尻尾が大きい・鼻先が長いなどの特徴があり、区別することができます。ただし、鳴き声は犬と同じように「ギャン!」や「ワン!」と言ったように鳴き、ちょうど声量も同じぐらいです。
英語は?
- 学名:Vulpes vulpes schrencki
- 英名:Ezo red fox
- 和名:キタキツネ(北狐)
キタキツネの生態!毛色は赤褐色!腹部は白色!冬毛はふわふわ!
キタキツネの毛色は赤褐色で、あごの下から腹部は白色をしています。耳の裏と四肢の足首は黒色をしていて、尾は赤褐色で先端部が白色をしています。冬になるとふわふわな冬毛で覆われます。近年では餌やりや人間界のごみを食べ添加物が多く含まれた食べ物を口にし、免疫力が低下した個体が皮膚病を引き起こすことが増えています。皮膚病にかかった個体は毛が抜けてしまい冬を越せない場合もあるそうです。(→Wikipedia)
大きさは?
- 頭胴長:60~80cm程
- 体重:2.5~10kg程
- 尾長:37~44cm程
- 寿命:野生下では6~7年程
- 出産には毎年同じ巣穴が使われる傾向がある
出産には、毎年同じ巣穴が使われる傾向がある!
繁殖期である12~3月頃に交尾をし、妊娠期間は約60日で春の暖かくなった時期に出産をします。平均して3~6匹の子供を産みます。出産には、毎年同じ巣穴が使われる傾向があります。子育て中は何度か引っ越しを繰り返します。子供が小さなうちは首筋をくわえて運ぶ姿が見られます。
子育て中の姿
食性は雑食性!エキノコックスとは?
食性は雑食性で、主に野ネズミなどの小さい哺乳類を食べます。鳥類、昆虫類、爬虫類、魚類や果物の他に動物の死体なども食べます。また、寄生虫であるエキノコックスがキツネの腸に寄生すると、卵を産み、糞として排泄されます。この汚染された糞、植物や水などに触れてしまい、体内に入ると人に寄生することがあるので、要注意です!冬毛で覆われた姿はとても暖かそうです。
冬毛の姿
子供は秋ごろに独り立ちする!(子別れ)
子供は成長すると親から巣を追い出され独り立ちをします。「子別れ」と言って、前日まで幸せそうな親子だったのに急に我が子に闘争心むき出して向かっていき追い出します。何度も親の元へ戻ろうとする子供の姿はとても切ないですが、一人前になるには避けては通れない道です。前年に産まれた若いメスの場合、巣に残り翌年に親の子育てを手伝う(ヘルパー)としての役目を果たすこともあります。
チングルマの中の子ギツネ
「十字ギツネ」や「ギンギツネ」とは?
ギンギツネは全身真っ黒で尻尾の先が白色をしています。十字ギツネ(CROSS FOX)はギンギツネの一種とされて、通常の赤褐色のキタキツネに黒い色が混ざっている個体を示します。背筋のラインと、肩から両脇にかけてのラインが黒い筋になり、十字に見えることから「十字ギツネ」と名前が付けられたと言われています。昔、海外より養狐場に連れて来られた十字ギツネが野生に離され、その後も繁殖を続けていると言われています。