星空(星景)の撮影方法

星空(星景)の撮影方法

一眼レフカメラやミラーレスカメラで星空(星景)を撮影する方法です。夜の撮影は光量が少なく難易度の高い撮影となります。特に北海道は街灯が少なく真っ暗です。

ピントの合わせ方、設定方法、必要な機材などを説明していきます。

光量の少ない撮影はノイズが出やすく、センサーサイズの大きな撮影機材が有利とされています。可能であればフルサイズ機での撮影をおすすめします。(→カメラの基本)でセンサーサイズの説明をしています。

星空(星景)の撮影方法!必要な機材は?

通常の撮影と異なり、星空(星景)の撮影には機材を揃える必要があります。星空(星景)撮影のために使用している機材を紹介します。

広角レンズ

星空の撮影には広角レンズが必要です。広角レンズがあれば、星座や流れ星を入れて撮影することが可能になります。星空に風景を入れて撮る星空の写真を「星景」写真と言います。

初めはフルサイズ換算で「望遠レンズ15-35mm」程度のものが取り扱いやすいです。慣れてきたら「20mmF1.4」などの単焦点や「12-24mmF2.8」などのさらに広角レンズを使ってみるといいと思います。

三脚

少し重さがあり安定するものを選びましょう。

雲台(おすすめの雲台)

雲台は水平を合わせやすくそれぞれの方向で微調整のきく「3way雲台」がおすすめです。

レリーズ

レリーズは必須です。カメラ本体のボタンを押してしますとブレが生じてしまいます。(レリーズを忘れてしまった場合は「セルフタイマー10秒」を使用しましょう!

「カメラ本体」「メモリーカード」などは以下の「使用機材について」で紹介しています。

使用機材について

当サイトやエトピリカチャンネルで使用している「機材(カメラやレンズなど)」の紹介です。北海道の自然の中で使用している機材はCANONが中心となります。最後に各メーカ…

「月明かり」や「光害」を避ける

星空を撮る際に一番影響を受けるのが「光」です。

月明かり

月明かりがある場合と月が沈んだ後に撮影した写真です。

月明かりの比較
月明かり比較

明らかに星の数が異なります。星空(星景)撮影に向かう時は①天気が良く雲がない日月明かりがない日、を選びましょう!ただし、山などを立体的に表現したい場合、少しの月明かりがある方が照らされて写ります。

光害

「光害」とは「不要な光による公害」のことを言います。街灯などの街の明かりがあると目立ってしまいます。

光害
光害例

どうしても構図内に光害が入る場合「光害カットフィルター」を使うと目立たなくなります。レンズの口径を調べてから購入するようにしましょう!

ピントの合わせ方

星空(星景)撮影は基本夜間の撮影となるため、AF(オートフォーカス)が使用できない場合が多いです。最近の機種ではAFも可能な場合もありますが、MF(マニュアルフォーカス)でピントを合わせる方法を覚えておきましょう。

MF(マニュアルフォーカス)

MF(マニュアルフォーカス)でピントを合わせる方法です。レンズのフォーカス切り替えスイッチを「AF」→「MF」に切り替えた後に以下の操作を行いピントを合わせます。

MFの方法
MFでピントを合わせる

コツは初めにフォーカスを「∞」まで動かしておくことです。そこから上の操作を行い徐々にピントを合わせていきます。

さらにレンズの特性で、「外周の星」でピントを合わせると「中央の星」に「歪み」が生じやすくなります。逆に「中央の星」でピントを合わせると「外周の星」に「歪み」が生じやすくなります。ピントを合わせるなら「中央と外周の間で明るい星」が一番良いです。

AF(オートフォーカス)

AF(オートフォーカス)でピントを合わせられる場合はできるだけ明るい星に合わせましょう!

AFの方法
AFでピントを合わせる

画面の明るさ設定

「画面の明るさ」は一番暗くしましょう!なぜなら暗闇で目が慣れてくると背面モニターに映る画像が明るく見えてきます。

モニターの明るさ
モニターの明るさ設定

実際に撮影した画像を家に帰ってパソコンのモニターで見たら写っていたけど非常に暗かったという経験を持つ人も多いはずです。画面の明るさを一番暗くしておくと、現場の背面モニターで見た画像と家に帰ってパソコンのモニターで見た画像の明るさがほとんど変わらなくなります。

【重要】カメラの設定!Mモードを使用!

星空(星景)撮影時のカメラ設定を覚えましょう!撮影モードは「Mモード(マニュアルモード)」を使用します!

①F値
開放を使います。明るいレンズ(F1.2、F1.4、F2.0、F2.8など)を使用することをおすすめします。明るければ明るいほど良いです!

②シャッター速度
10~25秒程度で撮影することをおすすめします。これ以上長いシャッター速度にすると、星が動いて点ではなく線のようになってしまいます

③ISO
1600~6400程度の範囲で撮影することをおすすめします。もちろんISOは小さい方がノイズが少ないですが、シャッター速度を短くしたい場合はISOを上げましょう!

上記の設定をして実際に撮影した星空(星景)が次の写真です。

星空(天の川)
焦点距離16mm F2.8 シャッター速度25 ISO4000

必ず一度明るめに撮影し、四隅などに無駄なものが写ってないか確認することが大切です!ISOを上げると簡単に確認ができます!

星空の撮影方法
星空撮影時の確認

流れ星の撮影方法

狙って流れ星を撮るのは不可能に近いですので、カメラを「連射」設定にしてレリーズを「ON」の状態で保ち、シャッターを切り続けましょう

連写モード
連写モード

今回はCANON純正のレリーズRS-80N3を使用しました。

シャッター速度20秒だとすると1分で3枚の写真しか撮れません。1時間でも180枚程度なので、撮影後に流れ星を探します。1~2時間程撮影を行っていると、運よく流れ星が入っているかもしれません。

流れ星の撮影方法
流れ星の撮影

流れ星の撮影は完全に「運」任せになります。流星群を狙うと確率が上がります。(流星群について→国立天文台NAOJ

流星群の一覧表
流星群一覧表

天の川の撮影方法

天の川の撮影は横に流れるようにして写すことができる、冬の終わりから夏にかけてがおすすめです。

天の川が出てくる時間は時期によってだんだんと早くなります。写し方のコツは「出てくる時間」「方角」です!予め調べて構図を考えておくことが大切です!次のように横に流れる天の川を撮影したい場合は冬の終わりから春にかけてがおすすめです。

天の川撮影
焦点距離20mm F2.8 シャッター速度25 ISO4000

冬の終わりから春にかけては「南~東」方向で見ることができます。

星座の撮影方法

星座は「時期」と「時間」から予測して撮影するようにしましょう。一度覚えると「この星座が見えると次はこの星座が出てくる」といったように予測ができるようになります。

星座の撮影方法
星座の撮影

この「ぎょしゃ座」が見えると、時間が経つにつれて右下に「おうし座」が出てきます。「ぎょしゃ座」の下には「ふたご座」が、「おうし座」の下には「オリオン座」が現れます。そんな風に覚えることができます。

夜間撮影の注意点

夜間の撮影になりますので崖や川への転落、野生動物との接触に注意しながら撮影しましょう!時間に余裕があれば、夕暮れ時から周りの環境を調べ、予め構図やカメラの設定をある程度決めておくことが大切です。

凍った湖面での撮影などでは特に注意が必要です!

そんな凍った湖面で、月明かりを利用して撮影し御神渡りを浮かび上がらせた撮影例も載せておきます。

御神渡りの撮影
月明かりを利用した撮影

星空(星景)撮影といってもいろんな表現方法があるので、基本的な知識を身につけたらあとは実践あるのみです!