親子のエゾヒグマ

エゾヒグマはアイヌ語で「キムンカムイ」と呼ばれ、山の神という意味を持ちます。アイヌの人たちはエゾヒグマを山の神として崇めてきました。怖いイメージを持ちますが、実はとても臆病な動物です。

エゾヒグマは実は臆病!優しい性格をしている!

ヒグマの亜種で北海道森林および原野にかけて生息しています。利尻島と礼文島には生息していませんが、2018年には106年ぶりに利尻島で目撃され、泳いで渡った可能性があります。泳いで島を渡れるほど泳ぎが得意で、遡上してくるサケやマスを河口で捕まえたり、定置網に引っかかるサケやマスを潜って捕まえることがあります。

また、木登りが得意で樹木に登って木の実などをたべます。日本に生息する陸上動物の中では最大種です。怖い印象をもっているかもしれませんが、基本的には臆病で人を見ると逃げていきます。

英語は?

  • 学名:Ursus arctos yesoensis
  • 英名:Hokkaido Brown Bear
  • ​和名:エゾヒグマ(蝦夷羆)
親子のエゾヒグマ

エゾヒグマの生態!活動時間は一定ではない!大きさは?

発情期や子育期以外は単独で行動します。活動時間帯が決まっていないため、昼夜問わず動きたいときに活動します。休む場所も決まっていません。食性は雑食性で草、木の実、アリ、魚類、エゾシカなどを食べます。(→Wikipedia

大きさは?

  • 体長:オス2.0m程、メス1.5m程
  • 体重:オス150~400kg程、メス100~200kg程   
  • ​寿命:野生下では20~30年程
  • メスよりオスの方が大きい
エゾヒグマの横顔

繁殖期は年に1回!1~3頭の子供を産む!

4~5歳頃から繁殖が可能となり、5~7月の繁殖期に交尾をします。交尾後、受精卵は着床遅延と言って、すぐには子宮に着床しません。秋ごろに栄養をしっかりと蓄えて、子育てに十分な体力をつけることができると子宮に着床し、冬の時期に巣穴で出産します。通常1度に1~3頭を出産します。子熊は1~2歳で親離れをします。

子育て中に別のオス熊に遭遇すると、自分の子孫を残そうとするオス熊に子熊を殺されてしまうことがあるそうです。休む時、子熊は木に登り安全を確保し、その木の根元で母熊が休みます。

親子が見つめ合う姿

0歳児のエゾヒグマ

大胆に寝ていることも!冬は冬眠ではなく冬ごもり!

知床では海岸線の岩で寝ていることもあります。周りを警戒しながらもウトウトと気持ちよさそうに寝ています。冬になると食料が少なくなるため、巣穴に入り、動かずにエネルギー消費を抑えます。体温が4~5度下がり、心拍数や呼吸数を低く保ち、体の脂肪を代謝して過ごします。

海岸で昼寝をする姿

眠るエゾヒグマ

エゾヒグマに出会ったときの対応は?

夏の暑い時期は、大雪山などでは残る雪渓で体を冷やしながら休んでいる姿を見ることがあります。大自然の中で目撃することは昔からありますが、最近では都会に出没する個体が増えています。特に札幌市近辺では春になると道路や公園ででの目撃が増えます。人を怖がる個体が増えているそうです。

出会ってしまったら、叫んだり走ったりしてはダメです。急な動きはエゾヒグマを刺激し興奮させてしまい、襲ってくることがあります。また、追いかける習性があるため、走って逃げることも危ないです。エゾヒグマは40~50km/hで走るため、もし逃げたとしてもすぐに追いつかれてしまいます。対処方法は次の通りです。(詳しくは→出会った時は(ヒグマ対処法)|知床財団|

遠い位置で出会った場合、後退りし出来るだけ距離をとるように心がけましょう。車内や屋内などに逃げましょう。

近い位置で出会った場合、クマスプレーなどを準備し、ゆっくりと後退りします。エゾヒグマがこちらに気づいているのに近づいてくるのなら、またぎのように強い気持ちを持ち、体を大きく見せましょう。基本は臆病なのでエゾヒグマから去っていくことがほとんどです。

ブラフチャージ(威嚇突進)、ほとんどの場合途中で止まるため、②と同様に強い気持ちをもち、体を大きく見せ、大きな声でこちらからも威嚇しましょう。クマスプレーはいつでも噴射できる体制でいます。

襲われた場合、うつ伏せになって柔らかく急所が多い顔と腹部を守り、首の後ろに手を回して守ります。

雪渓の上で寝そべる姿

雪渓の中のエゾヒグマ

熊スプレー(熊撃退スプレー)

熊スプレー(熊撃退巣スプレー)のお勧めは「UDAP:Bear Spray 」(アメリカ森林警備隊採用品)、「OUTBACK:COUNTER ASSAULT」(米国モンタナ大学のグリズリーベア研究チームによって開発)です。200g以上の容量で使用期限も十分にあり安心感があります。類似品にご注意ください。

熊鈴(熊よけ鈴)

熊鈴や熊よけ鈴と呼ばれていますが、熊が鈴の音を嫌がって逃げるのではなく、突発的な出会いを避けるための鈴です。突発的に出会い、驚かせて、興奮させてしまうと、襲ってくることがあります。エゾヒグマは基本的に臆病な動物のため、遠くで鈴の音が聞こえ、人間がいることを認識すると近づいてきません。(人慣れている個体は別として)

泳ぎが得意!海だけでなくて沼、湖も平気で泳ぐ!

エゾヒグマは泳ぎが得意です。沼や湖も平気で泳ぎます。大雪山では雪解けの時期になると沼を泳いで渡る姿を目撃することがあります。

沼を泳ぐ姿

泳ぐエゾヒグマ

​その他のエゾヒグマ写真

山に入るときは熊対策がとても重要です!

子連れエゾヒグマ
親子熊
マスを捕まえるエゾヒグマ
秋鮭を捕まえる姿
シカと一緒のエゾヒグマ
シカの前にたたずむ姿

​エゾヒグマに会える場所

安全に会うには動物園やクマ牧場がおススメです!

のぼりべつクマ牧場(登別市)

場所
 〒059-0551 北海道登別市登別温泉町224
電話番号
 ☎0143-84-2225
・夏期営業時間:9時00分~17時00分
・冬期営業時間:9時30分~16時30分
・休園日→詳細はホームページ

サホロリゾート ベア・マウンテン(上川郡新得町)

場所
 〒081-0039 北海道上川郡新得町狩勝高原
電話番号
 ☎0156-64-7007
・営業時間:9時00分~16時00分
 (冬期は休園)
・休園日→詳細はホームページ

写真集の紹介

おすすめ写真集の紹介です。

ヒグマの旅 森と川、山と海/二神慎之介

ヒグマを追い続けた写真家二神慎之介さんの写真絵本です。

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