三脚の選び方

カメラをしっかりと固定できる三脚があると、光量が少なくシャッター速度が出せない撮影で役に立ちます。また、川の流れ・星の軌跡・花火など被写体の動きを表現できるようにもなります。

しかし、実際に三脚を買おうとすると「素材は何が良い?・高さはどれぐらいが良い?・雲台の形状は何が良い?」などといった問題が出てきます。

使う用途に種類を変えるのがベストですが、初めに購入するものは出来れば多くの場面で使用できて、長く使えるものを選びたいと思います。納得の三脚を購入できるように選ぶポイントと、メーカーの特徴を紹介していきます。

「三脚の重さ」は機材の総量で選ぶ(目安は耐荷重)

一般的には重い方が安定感がありますが、フィールドを歩き回り撮影する人は軽量化された三脚がおすすめです。

耐荷重について

目安は機材の総量に対する「耐荷重」です。安定(安全)を考えて総量の2~3倍の耐荷重が理想とされています。以下の例のように計算して選ぶと良いです。

三脚の耐荷重

大は小を兼ねるという言葉があるように、三脚を持ち運ぶという点を除いて、安定(安全)という面だけを考えれば大きくて重いものを選べば間違いありません。また、機材は風の影響を受けやすいため強風の際は重いものの方が安定します。

素材は「カーボン」か「アルミ」か?

また素材によって「価格・重さ・丈夫さ」が変わってきます。三脚で使用される素材は主に「カーボン」と「アルミ」です。以下にまとめてみました。

三脚の素材比較

アルミはぶつけると凹んだりします。対してカーボンは軽いのにも関わらず壊れづらく丈夫で、振動が伝わりづらい(振動減衰力)素材です。その分価格が高くなります。

「長さ」は自分の身長から考える

一般的な撮影では自分が立った状態でファインダーを覗けるくらいの高さがあれば大丈夫です。この高さは「三脚+雲台+カメラ」で考えます。

長さについて

三脚の長さは「先端~雲台取り付け台」までを示しています。一般的な撮影の場合「カメラ+雲台」の高さを考えて、自分の身長-10~30cm程の長さが目安となります。

三脚の長さの選択

段数は「3段」か「4段」か?

主に「3段」タイプと「4段」タイプがあります。「3段」は脚が太いため安定感がありますが、長くなります。「4段」は先端の脚が細くなるため安定感は劣りますが、短くコンパクトになります。

三脚3段と4段の比較

当サイトでは「4段」は手間がかかるので「3段」タイプを好んで使用しています。

メーカーの比較

三脚のメーカーは国産ですと「Velbon(ベルボン)」「SLIK(スリック)」があります。海外ですと「Gitzo(ジッツォ)」「Manfrotto(マンフロット)」「leofoto(レオフォト)」「sachtler(ザハトラー)」などが有名です。

三脚メーカーの比較
三脚メーカーの比較

当サイトの筆者はメインでGITZO(ジッツオ)の5型を使用しています。

サブでVelbon(ベルボン)を使用しています。

両方共に、3~5年ほど使用し、大きな故障はありません。一度だけ、清掃のためにVelbonの三脚を分解した際、部品をなくしてしまったことがありましたが、メーカーに問い合わせたところ、部品を購入することができました。(サポート体制がとても良かったです。)

雲台を選ぶ

雲台には種類があります。「自由雲台」「2way雲台」「3way雲台」「ビデオ雲台」「ギア雲台」「ジンバル雲台」などに分かれています。使用用途によって使い分けるのはもちろんですが使いやすい

自由雲台

名前の通り、ロックを緩めるとどの方向にも「自由」に動きます。小型でありながらどんな撮影にも対応できます。しかし、微調整が苦手で、「水平」を少し直したいとロックを緩めると他の方向もずれやすい構造をしています。

Velbonの雲台は取り扱いがしやすく頑丈なためおすすめです。価格もお手頃です。

3way雲台

風景やスタジオ撮影など、動きが少なくじっくりと構える撮影に向いています。名前の通り3方向「水平・垂直・上下」を別々に操作できます。

当サイトでは星空(星景)撮影の際に使用しています。Velbonの機種は価格が安く安定感があるのでおすすめです。

ギア雲台

ギア雲台は3way雲台のギアで動かすバージョンです。ギアを回した分だけ動くので微調整が行いやすく、3way雲台のようにロックを緩めて締めるという動作がいりません。

leofotoのギア雲台が安定感があり操作しやすくおすすめです。

ビデオ雲台

動画撮影用に作られた雲台です。大口径レンズなど重さのあるレンズをバランスよく固定できる雲台です。水平を合わせられるものと合わせられない(三脚で合わせる必要があるもの)ものがあります。ジンバル雲台と比べて作りがコンパクトですが、素早い動きはジンバル雲台の方が得意です。

ビデオ雲台有名なのは「ザハトラー」のFSBMKⅡシリーズです。大変高額ですが、スムーズな動きと安定感は抜群です。お金があれば迷わず購入したいビデオ雲台です。

当サイトでは価格が安いけど、安定感があり固定や取り外しがスムーズにできるマンフロットのMVH502AHを使用しています。

ジンバル雲台

大口径レンズなど重さのあるレンズをバランスよく固定できる雲台です。ロックを緩めると素早く向きを変えれるため、野鳥などの動きが速いものを撮影する時に好んで使用されます。

Gitzoのフルードジンバル雲台がおすすめです。高価になりますが、安定感があり動きがスムーズで人気があります。

止めネジアダプター

また、雲台の止めネジは、主に小型の雲台で使用されている「細ネジ(1/4インチ)」と、主に大型の雲台や海外製の雲台で使用されている「太ネジ(3/8インチ)」の2つの規格があります。異なるタイプの雲台を取り付ける際は、「止めネジアダプター」を使用し対応できます。

「細ネジ」→「太ネジ」、「太ネジ」→「細ネジ」の両方のタイプがあります。

一脚とは?

一脚とは三脚と異なり一本足でサポートするアイテムです。人込みで撮影する際、スポーツや野鳥撮影で撮影者の負担軽減のためなどに使用されます。手持ち撮影より安定性があります。

当サイトでは以下のものを使用しています。収納時は260mmとコンパクトですが、伸ばすと長さ1560mmにもなります。

以上三脚の選び方でした。10万円程度の予算は考えておくと良いかもしれません。