エゾナキウサギはアイヌ語は不明ですが、一説によると「クトロンカムイ」と呼ばれていたそうです。北海道の道央や道東にだけ生息する警戒心の強い動物です。主に岩場に生息しています。
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エゾナキウサギは準絶滅危惧種!
ユーラシア大陸北部に広く生息するキタナキウサギの亜種です。北海道の道央や道東に生息しています。エゾナキウサギは生息地が少ないことや、標高の低い地域において個体数が減っている可能性があることから、2012年より「準絶滅危惧種」に指定され、絶滅危険度は低いが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種となっています。
英語は?
- 学名:Ochotona hyperborea yesoensis
- 英名:Japanese pika
- 和名:エゾナキウサギ(蝦夷鳴兎)
エゾナキウサギの生態!花を食べる!毛替わりは年2回!
主に道央や道東の800m以上高山帯のガレ場(岩場)に生息しています。風穴地帯と言って砕けた溶岩が岩となり、重なり合っている場所では夏でも冷たい風が溜まっているため、エゾナキウサギにとっては大変好ましい場所だそうです。
年に2回毛変わりをし、夏毛は赤褐色をしていて、冬毛は灰褐色から暗褐色になります。食性は植物食で、葉、茎、花などを食べます。岩場の涼しい環境を好みます。日中に行動をしますが、夜にも鳴く姿があります。(→Wikipedia)
北見山地・大雪山・夕張山地・日高山脈の山では登山道のすぐ脇のガレ場に生息していることもあり、運が良いと登山中に出会うこともあります。出会えて観察する時の注意点は以下の通りです。
・大きな声を出さない
・餌付けをしない
・高山植物などの植生を踏みつけない
です。自然の中に人間がお邪魔していると言う優しさを持って観察することが大切です。
大きさは?
- 体長:10~20cm程
- 体重:60~150g程
- 尾長:1cm程
- 寿命:野生下では2~3年と推定
- メスとオスの大きさに差がない
繁殖期は年に1回!1~5頭の子供を産む!
春から夏にかけての繁殖期に交尾をします。雄雌ともに同性に対して縄張り意識を持ちます。1度に1~5頭を出産します。子供は成長と共に親の縄張りから離れていきます。
花を食べる姿
貯食と言って、秋になると食料を集めて貯える!
冬眠はしないため、秋になると葉を岩の間に集める姿があります。「貯食」と言って冬の間の食料を貯える行動になります。自分の縄張り内の何か所かに葉を集め、乾燥させ、干し草を作り保存食を作るのです。ガレ場が雪で覆われている冬の間、雪の下でこの保存食を食べて乗り越えます。
葉を貯える姿
朝陽をバッグに鳴く姿はまるで百獣の王!
朝陽が昇る時間帯にエゾナキウサギは行動しています。オスとメスで鳴き方が異なり、オスは「キィッ」「キチィ」と鳴き、連続して鳴くことがあります。メスは「ピュー」「ピィーッ」「ピィルルルル」と長めの発声と「ピキィ」と短めの発声を使い分けています。
また、エゾナキウサギには生息環境を守る目的で活動を続けている団体「ナキウサギふぁんくらぶ」があります。書籍やグッズ販売なども行っています。
岩の上で鳴く姿
黒い色素の強い個体もいる!
エゾナキウサギは黒い色素の強い個体が存在します。黒いナキウサギと呼ばれています。